関西ちりとてちん対談 #1 スペンス・ゼオースキさん

関西ちりとてちん対談

あなたに会えてよかった in 関西

2008年3月21日(土)

#1 スペンス・ゼオースキさん

スペンスさんの生の声が聴けます!

大阪大学大学院人間科学・コミュニケーションメディア専攻/落語研究家
(2006年来日・1994年にも来日経験あり)

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扇子と手ぬぐいだけで、街から群衆まで
いろんな物を作り出せるし、
アメリカにも宇宙にも行けるんです。


今回から2回にわたり、NHKドラマ『ちりとてちん』(2008年3月29日放送終了)の舞台・関西からインタビューをお届けいたします。日本の伝統話芸である落語に魅せられた2人の外国人の方々にお話を伺いました。

お一人目は、アメリカ人の大学院生、スペンス・ゼオースキさんです。スペンスさんは大阪大学大学院で主に情報技術やメディアについて研究する傍ら、時間さえあれば関西中の落語イベントに顔を出す、超落語愛好家です。また見るだけでなく、実際にプロの噺家さんに師事して落語を勉強する、落語研究家でもあります。
将来はご自身の情報技術関連の知識と異文化体験を融合させて、日本人や外国人、老若男女問わず広く落語の魅力を伝えたい、と語るスペンスさん。まるでアメリカからやって来た落語の伝道師のようです。
普段は関西弁を貫き通すスペンスさん。英語でインタビューします、と言うと「英語?ほな頑張らなあかん・・・」と言いながら流暢な英語で答えていただきました(笑)

*インタビュー@ 喫茶「ケルン」(大阪市北区天神橋)

*スペンスさんについてのご友人のコメント:こちら

*スペンスさん関連の新聞記事:こちらをクリック!



落語クリップ・その1 上方落語






English




落語との出会い in デトロイト。

私は現在大学院生ですが、日本文学とか日本文化を研究しているわけではありません。だから私の落語への関心は個人的なものです。アメリカにいた頃から衛星放送で日本のテレビ番組を見ていました。NHKの『日本の話芸』とかですね(笑)その上私は1994年にも日本に住んでいました。その当時も『ざこば・鶴瓶らくごのご』といった番組を見ていました。
落語はすごく面白いです。私が触れた日本の伝統文化のどれもが面白かったんですけど、中でも落語にはハマりましたね。
落語に出会ったのは、デトロイトで行われた落語イベントでした。デトロイトは自動車産業の中心で、日本人もたくさん住んでいました。私はデトロイトでの桂三枝さんの独演会に行って、落語の魅力に取り憑かれたんです。それから落語のことがもっと知りたくなりました。それでオンライン書店のアマゾンで落語関連の本を取り寄せたり、落語のビデオやCDまで買ったりして、より深く落語を勉強しました。イベントにもどんどん行くようになりました。ニューヨークやシカゴで落語イベントがあると知れば、そういうものにも行きましたね。


落語の肝である話術は、どんな人にも役に立ちます。

落語の肝である話術は、何もコメディーに限ったことではありません。落語の持つ軽快なリズムは、人の関心を自分に向けたりとか、聴く人をあたかも冒険にいざなうように気持ちをワクワクさせる効果があります。落語では、落語家さんは聴衆の関心を、20分から30分、時にはもっと長い時間にわたって引きつけなくてはなりませんが、そのためのスキルは、落語家さんだけでなく一般の人にとっても、生活のあらゆる場面で必要になってくると思います。
例えば日常で誰かと話す時とか、仕事の時ですね。皆さんがプレゼンをする時、もし皆さんがプレゼンの相手を退屈させてしまって、皆さんの活動に興味を持ってくれなかったら、相手は皆さんの会社の商品を買わないでしょう。だから落語から学べるものって多いと思うし、そういうものは落語以外の分野に応用できると思うんです。そういうわけで、落語は私の大学院での専攻と同じくらい重要な研究対象になっています。
落語は皆さんの地域社会でも役に立ちます。日々の生活で、どうしても人とコミュニケーションを取っていかなければならないからです。お隣さんやご近所さんとですね。この人ともっとお話したいな〜と誰かが思うくらいに皆さんが魅力的な人であれば、きっとその人は皆さんを他の人たちに紹介するでしょう。そうすれば、皆さんの世界がどんどん広がっていきます。
話術って、誰にとっても重要なものだと思うんです。特に教育の現場、生徒さんに対してですね。今は国際化の時代です。話し方、人の関心の引きつけ方、そして人との交流の仕方・・・その点、落語は双方向のコミュニケーションによって成り立つ演芸です。いかに聴衆を引きつけるかが鍵です。聴衆が落語家さんに対して突っ込みを入れるとか、そういうことはないにしても、聴衆は落語家さんの言ったことに対して笑いで返しますよね。だから、そういうスキルは対生徒さんにも有効です。そして国どうしの障壁を崩すのにも最適な方法です。
落語の核となるスキルは、世界に通用するコミュニケーション能力を身につけるのに欠かせない物だと思います。


日本はアメリカとは全く違う。だからこそ日本に興味を持った。

日本に初めて興味を持ったのは小学生の頃でした。小学校に、「日本語を学ぼう」みたいな本が置いてあったんです。僕はスペイン語やフランス語の子ども向けの辞書は持っていました。日本語の辞書は学校にも置いてなかったんですけど、ベルリッツあたりが出版した、旅行用の日本語教則本がありました。それで僕も何冊か日本語についての本を手に入れました。外国語への興味はもちろんあったけど、どこかで日本に憧れを抱いていたんでしょうね。
日本の文化は他のどれとも違うと思いました。アメリカは「人種のるつぼ」です。多種多様の文化や言語があり、行けば実際にそういう場面を見ることも出来ます。ネブラスカ州オマハにあるギリシャ人街や、ニューヨークのリトル・イタリーなど、いろんな人種のコミュニティーがあります。でも日本は、そういうアメリカとは全然違います。文化も言葉も・・・でも私は日本が面白いと思った。だから私は独学で日本語を学ぼうと思ったんです。
大学に入学して、ようやく正式に日本語を学ぶことができました。それに日本関連のイベントがいろいろ開かれていることも、その時知りました。私は当時オハイオ州のクリーブランドにいたんですが、街には日本関連のイベントがたくさんありました。芸術、映画などなど・・・私は出来る限りそういうイベントに足を運びました。地元の日米協会にも参加しました。実際、私はクリーブランドの日米協会を立ち上げる段階から参加しました。協会が正式に発足した当時から、私は理事会の一員として活動しました。素晴らしい体験でした。学んでも学んでも、興味は尽きませんでした。だからもっともっと、と貪欲に学んでいきました。
でも当時は、本当に日本に来れるなんて考えてもいませんでした。それでも日本に興味がありましたから、私は出来るだけたくさん日本について勉強しました。

IMGP7086.JPG 上方落語初の寄席「天満天神繁昌亭」の前で


クリーブランドのMy Room。

私が大学生当時に住んでいたアパートですが、まず部屋に入る時は、靴を脱ぎます。部屋に入ると、テレビがあります。そこで人は何かに気づく。聞こえてくる言葉は英語ではありません。「どこの国の番組?」と聞いてくるでしょう。NHKです。TVジャパンという、アメリカ一帯をカバーする衛星放送があって、NHKの番組が24時間いつでも見れます。私はそれをほぼ1日中つけっぱなしにしていました。
そして部屋を見渡すと、低いテーブルがあります。そのテーブルの前には何やらクッションが。そこでみんな「何これ?」と聞いてくる。ちゃぶ台と座布団です。すっごく和風ですよね(笑)しかも私は暖簾(のれん)まで持っていました。暖簾には「ゆ」(湯)と描かれていて、トイレに行く通路に掛けてありました(笑)
そして私は日本刀も持っていました。本物じゃないですよ。居合道という、刀を使った武道で使う練習用のものです。私はアメリカで、居合道や剣道といった日本の武道を習っていました。89年か90年頃に習い始めました。私の先生は、東京の警視庁で武道を教えていた人でした。彼は総理大臣やアメリカ大統領の護衛を担当していました。クリーブランドでそのような素晴らしい先生と出会えたのは、本当に幸運でした。これも、私が日本により深く興味を持ったきっかけです。


コメディーは、難しい。

コメディーは理解するのが一番難しい分野でしょう。ユーモアセンスは国によって違ってくるからです。コメディーの多くは、微妙なニュアンスとか言葉とか、あと文化を土台にして成立するものです。だからその国のユーモアを理解したかったら、そこの国に住む人たちのことを知らないといけません。
日本だったら、日本のテレビ番組を見て、出演者の人たちのモノマネをしてみたりとか・・・。私はアメリカにいた頃、日本のテレビ番組をたくさん見ました。ドラマを見て、出演者の人たちのマネをしてみたりして、それが日本人への理解をより深めることにつながりました。そうやって、自分とは異なる文化に生きる人たちを理解するための基礎を作っていくことが大事だと思います。結構ハードですよ。ある程度理解できるようになるまでは時間がかかります。でも、そうした作業を続けていけば、相手を理解する能力はきっと向上するでしょう。
関西の落語、いわゆる上方落語で出てくる日本語は、昔の日本語です。それにその日本語というのは大阪弁が中心です。落語にも独自の歴史や文化があります。落語は江戸時代が舞台になっているものが多く、それゆえに落語を理解するために知っておかなくてはならないことがたくさんあります。日本語の言葉遊びとか洒落なんかも知っていなくちゃならない。勉強すべきことがたくさんあります。


アメリカ人の友達も落語を楽しんでいました。

私はアメリカ人の友人を、ある時落語のイベントに連れて行きました。彼らは言いました。「10%くらいしかわからなかったよ」って。でも、彼らはそれでも結構落語を楽しんでいました。落語の持つリズムとか、落語家さんの仕草の面白さ、そういうもののおかげです。あとは登場人物の表情とか。だから話の内容を100%理解しなくても、ある程度は楽しめるんです。
でも、同時に落語は奥が深いです。だから皆さんが今、「落語がわかるようになったぞ!」と思ったとしても、まだまだ先があるはずです。それでさらに落語がわかるようになって、より落語を深く鑑賞できるようになると思います。例えば「あ、この話、前も聞いたよ。まったく何回同じ話を聞けばいいんだろうね」なんて言う人がいますが、たとえ同じ内容の話でも、実は微妙に違うんです。噺家さんは観客の層によって微妙に話の内容を変えるし、演じる場所によっても微妙に変えていきます。そしてお客さんである皆さんも、落語を聞きに行く先々で、地元の人たちと交流を深めることができます。
私は今、落語を聴くだけでなく、実際にプロの噺家さんに付いて落語を勉強しています。だからできるだけ多くのことを吸収しようと思っています。英会話学校のECCが落語教室を開いていて(大阪のECCアーティストカレッジ梅田校にて開講)、そこに私も通っています。プロの人たちの仕草を見たり、あとは人がどんなところで笑うのかを学んでいます。同じ内容の話を、いかにアレンジしてさっき話したものと違うものにするか。また、同じ内容の話が噺家さんによっていかに変わってくるか。そういう観点も含めいろんな角度から落語というものを見て学んでいます。

IMGP7092.JPG 天満天神繁昌亭にて。


落語のマジック。

落語では、演者は動きません。正座しているからそれほど自由には動けません。しかも着物を着ています。扇子と手ぬぐいだけであらゆるものを作り出していきます。それが落語のマジックだと思います。
最近のハリウッド映画は、膨大なお金や時間を投入して昔の町並みを再現したり、宇宙旅行のシーンを作ったりしていますよね。たくさんの人を雇ってコンピューターを駆使して特殊効果を開発し、巨大な街を作り上げたりします。本当に膨大な手間とお金を費やしています。
一方で、落語家さんが演じる時に持っているのは、扇子と手ぬぐいという、めちゃくちゃシンプルな小道具です。でも彼らはそれであらゆるものを作り出します。古い町並みだって作れるし、アメリカにだって行くことができます。未来へ飛んだり、宇宙旅行にも行けたりします。たくさんの人たちをその場に登場させることも出来ます。子どもからお年寄りまで自由自在、群衆だって作り出せます。これこそが落語の素晴らしい所なんです。


人間は、創造力で勝負。

最近のメディア世代、コンピューター世代が忘れつつあるもの、それはクリエイティビティ、つまり創造力です。落語は基本的に、聴衆一人ひとりの創造力に働きかける演芸です。聴衆一人ひとりが、話を聞きながら情景を頭の中に描き出し、自分なりのストーリーを作り出して行く。技能としては本当にすごいものです。教育の現場では、こういったスキルをもっと生徒に身につけさせなくちゃいけないと考えられています。
創造力は本当に大事です。テクノロジーが発達して、それまで人間がやってきた仕事をどんどんコンピューターやロボットがするようになりました。じゃあ我々はどこでテクノロジーと勝負するのかと言えば、創造力です。
落語はコメディーだったり演芸だったりするけれど、人間の心に働きかける部分が本当に大きいです。本当に役に立つと思います。


落語とアメリカンコメディーの違い。

西洋のコメディーは、落語とは大分異なります。例えばアメリカでは、伝統的な衣装を身にまとった状態で観客に物語を聴かせるといったスタイルのものはありません。ネイティブ・アメリカンにはストーリーテリングの文化がありますが、コメディーではありません。
アメリカのコメディーは、一人の人がステージに立って、短いジョークを矢継ぎ早に繰り出して行くスタイルが中心です。内容も最近では政治を風刺したり、ちょっとエッチだったりするものが多いです。でもそれには理由があります。
落語は寄席で主に鑑賞するものですが、喫茶店や学校などでも小さな落語イベントが行われていたりします。方やアメリカでは、コメディーを楽しむ場所は主にナイトクラブです。落語家さんが居酒屋で演じているのを想像できますか?居酒屋は環境的に落語に全然合っていないです。落語というのは一つの話が20分から30分もあって、オチは最後の最後までわからないというものです。中にはオチが来るまでは全然笑える部分が無いというものさえあります。
一方でアメリカンコメディーは、お客さんは飲んで酔っている人とかガールフレンドと一緒に来ている人とかだから、ジョークも短くて早く終わるもの、分かりやすいものが好まれます。だから落語家とアメリカのコメディアンは全く違う環境にいるんです。今でこそテレビに出ているスターコメディアンだって、最初はナイトクラブやコメディクラブの営業から出発しました。コメディクラブも似たようなものです。観客は飲みながら鑑賞しています。そしてテレビでも、コメディアンは大統領をからかったりします。
日本の漫才とか落語では、あまりそういうのは見かけないでしょう。落語なら、一部の噺家さんが、落語の導入部分、いわゆる「まくら」で政治的な話を少ししたりしますが、それでも長きにわたってそれぞれの国で育まれてきたユーモアの文化には大きな隔たりがあるように思います。


IMGP7093.JPG 天満天神繁昌亭にて。「上方落語で笑いまひょ!」


落語なんて古臭くってつまらない。そう思う人たちにこそ、落語を紹介したい。

私の目標は、(自分の専攻分野では)研究プロジェクトを成功させて日本の教育を向上させることです。そしてアメリカでの経験をも生かしながら、異なる文化や言葉どうしを橋渡しする、そういう橋を作っていきたいです。
私はテクノロジーの分野で培ってきた経験をビジネスの現場に反映させるのはもちろん、人々が2つの異なる文化や言語を勉強する際の環境づくりにも生かしたいです。きっと貢献できると思います。イベントを開いたり、ウェブサイトを作ったりしながら、そういう環境を整えていきたいです。私の専門分野はメディアです。お互いが顔を合わせて直接やりとりするのはもちろん重要ですが、インターネットやブログもコミュニケーションツールとして有効です。より多くの人たちとつながっていけるツールはたくさんあるんです。
そして落語ですね。今は落語を個人的に楽しんでいるレベルですが、もっともっと落語を勉強していきたいです。そしてもっとたくさんの人に、落語を理解していただきたいです。人々は思うかもしれません。「落語なんて古臭くって、つまらない」と。落語を見たことがない人は、落語に対してそういうイメージを持っているのではないでしょうか。そういう人たちにこそ、私は落語を紹介したいのです。
そのためにも私は情報を多く集めて、それに自分の経験も合わせて、それらをコンパクトにまとめる必要があります。落語で少しでも人々にとって役に立ちそうな部分があれば、それを伝えていって、人が落語を好きになるきっかけを作りたいです。それで誰かがほんのちょっとでも落語に興味を持てば、そのちょっとした興味に火をつけて、その人の落語への関心を高めたいです。


落語は娯楽であり教養でもある。

私の場合は、日本文化への興味は和食で火がつきました。私はそういうちょっとした興味をあらゆるものに対して持ち、そのちょっとした興味をキープすることで、他の文化への関心を高めていきました。私は自分が会う人たちに、物事への興味づけのきっかけを提供したいんです。そのためにテクノロジーを生かすことが出来るし、落語もきっかけ作りに役に立つかもしれません。そうなれば幸せですね。
落語には300年以上の伝統があります。落語はそういう伝統の上に今日の姿があるということを知ってほしいです。それで十分です。落語を「勉強するぞ!」なんて思う必要はありません。でももし関心があれば、落語を学んでいくときっと面白いと思います。
子どもたちが落語を演じているのを見ると、長い伝統が今でもちゃんと引き継がれているのを実感できます。素晴らしいですよね。そして学校の先生やビジネスマンもECCの落語教室に来ます。落語は娯楽ですが、それと同時に人前で自信を持って話せるようになるのに役立つ教養でもあると思うのです。


落語クリップ・その2 江戸落語



私は「橋」になりたい。

日本人は、確かに自分たちの文化を忘れかけているかもしれません。それはアメリカでも大なり小なり同じことが言えると思います。海外からアメリカに来る人の方が、私よりもアメリカのことを知っていたりしますからね。その国に生まれた人にとっては、その国の文化はいつだってそこにあるものです。そしていつまでも自分の手元にあるものだから、焦って勉強する必要はないわけです。
でも、伝統文化というのは単に江戸時代とかそのあたりからずっとある、古臭いものではありません。今でも日常の生活の中で生きている文化です。中でも落語には、情報や経験を世代から世代へ受け継いだり、師匠と弟子とで受け継いでいく、そういう強固な伝統があります。今放送しているNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」ももうすぐ最終回を迎えますが(インタビュー当時。放映は2008年3月29日で終了)、放送終了後も、落語の火が消えずにいてほしいです。たくさんの人たちが「落語がこんなにも面白いものだってこと、知らなかったよ」って感じてくれたらいいなと思います。古臭いというイメージを拭い去って、人々が落語を見に行くようになればいいなと思います。そして彼らが落語への関心をどんどん高めていく。それが私が望んでいることです。
私の目標は「コネクター」つまり、人と伝統文化をつなぐ橋になること、そして落語の面白さを分かりやすく伝えられる人になることです。そういうことを、私の周りにいる人たちとできたら良いですね。
そしてもっと大きな規模でそういうことができたら、人の落語への興味ももっと広げることができるでしょう。そうなるといいなと思います。


落語を「Rakugo」に。

私はこういう活動を、日本だけでなく海外でもやりたいです。何故なら落語は何も日本国内だけにとらわれている必要はないからです。その良い例が、英語落語です。落語は他の言語でも演じることができて、しかも海外で好評を博しています。たくさんのプロの噺家さんがニューヨークで公演したりしています。落語の伝統を守っていくためには日本文化や日本語という要素がとても重要なのは確かです。でも、それらに縛られる必要はないんです。日本文化や日本語は要素であって落語の全てではありません。話芸であるという側面、コミュニケーションスキルや人の関心を引きつけるスキルの粋を集めた演芸。そういう部分を自分なりに抽出して、独自にアレンジしたっていいと思います。
私は自分の経験やテクノロジーの知識、ビジネススキルを駆使して、落語をプロモートしていきたいです。人が落語に関する情報を見つけて落語を学べるようにする環境を作る。そしてその環境により多くの人があつまるようにして、共有する知識をどんどん増やしていく。そして新たに落語に興味を持つ人を今まで以上に増やしていく。
そして将来は、落語の伝統を守りながらもさらに落語を時代に合わせてアレンジしていくための、さらには落語が世界に進出していくためのお手伝いをしていきたいです。私はそのためならどんなことでもするつもりです。そしてより多くの人たちに、この素晴らしい芸能の世界を紹介していこうと思います。

IMG_0637.JPG *撮影:川根明子

私は関西での暮らしを心底楽しんでいます。

関西の文化は素晴らしいです。関西弁にも深い歴史があります。そして街によっても
カラーが違います。京都は伝統の街、神戸は国際的な港町、奈良も京都と同じように
長い伝統や歴史を持つ街です。
そしてここ大阪は商人の街です。安くておいしい食べ物がたくさんあります。ここに
すっかり根付いてしまった感がありますね。

大阪は、私にとってもう一つの故郷です。



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