2006年11月3日(金)
#4 ライル・ウォーレンさん
ライルさんの生の声が聴けます!
Harbour Homestay マネージャー
(2002年に来日)

外国人入居不可のアパート。
組織的に人種差別をしていると
しか思えない。
4人目はオージーです。ライル・ウォーレンさんは日本に来て4年。毎日東京中を駆け回っています。彼はホームステイ会社のマネージャーであり、日本人ビジネスマン向けの英語の先生であり、そして子供には科学を教えるなど、いろんな顔を持っています。
ライルさんの辞書に「とどまる」という文字はありません。今、この瞬間、もしかしたら皆さんの街にいるかもしれません!
*インタビュー@ 三軒茶屋 “伽羅(きゃら)”
English
911が導いた日本。
僕は昔、交換留学生としてアメリカに留学しました。オーストラリアからアメリカに行く途中と帰る途中に日本に寄りましたし、アメリカにいた時も日本から来た留学生たちと友達になりました。彼らはいろいろと日本のことを話してくれました。そのおかげで日本のポップカルチャーに興味を持ったんです。それが日本に来たきっかけです。
アメリカでの留学期間が終わったあと、オーストラリアに帰って大学の課程を終えました。僕はアメリカに戻って仕事をしたいと思っていましたが、留学期間中に同時多発テロが起きました。だからアメリカには戻れなくなりました。経済状況が良くありませんでしたし、失業もありました。両親も、そんなところに戻るなと言いました。
そこで僕は考えました。「6ヶ月だけ、ワーキングホリデー制度を利用して日本に行ってみよう」と。実際には日本に1年いたんですけど、本当に好きになりました。一度オーストラリアに戻ってから、就労ビザを取得した後日本に来ました。
「日本の生活様式」の意味がわからない。
成田空港に着いた時は、すごくワクワクしていました。東京はエキサイティングな大都市ですからね。カルチャーショックと言えば「家の中で靴を脱ぐ」ことくらいでしょうか。いくつかの家には、うっかり靴をはいたまま入ってしまいました(笑)でも、それくらいだったと思います。
僕にはたくさんの日本人の友達がいますが、誰一人として同じ生活スタイルの人はいません。だからもし「日本の生活様式には慣れましたか?」という質問があったとしても、その質問の意味が分かりません。オーストラリア人の友人と同じじゃないかとさえ思います。
でも違いは確かにあります。日本では狭い場所に人がたくさんいるせいか、全てが小さく見えるんです。多分オーストラリアから来た人は、みんな窮屈な思いをしているんじゃないでしょうか。
食べ物も小さいですしね。オーストラリアで食べていたものよりすっと小さいし、少ない。これらが唯一、適応しなくてはならなかったものですね。
こんなイヤな思いをしなくちゃいけないなんて。
日本で好きな物は、アニメと音楽です。音楽ではコーネリアス(小山田圭吾のソロユニット)やアジアンカンフージェネレーション。が好きです。
好きな街は、秋葉原です。それほど頻繁に行くわけじゃないんですけど、そこにいる人たちが面白いし、たくさんの電気店や目新しい商品がたくさんある。テーマパークみたいです。
逆に、混雑した電車はイヤですね。シドニーではまず経験したことがありません。まして東急田園都市線並みの混雑は、本当にひどい。
以前は「たまプラーザ」(横浜市)に住んでいましたが、朝の満員電車に耐え切れずに三軒茶屋に引っ越してきたんです。そんな混雑した電車に20分や25分も、とてもじゃないですけど乗れないです。 だって、狭い場所にたくさんの人たちがぎゅっと詰め込まれているんですよ。朝通勤する人たちは全員、こんなイヤな思いをしなくちゃいけないなんて、まったく理解できません。
夜中の11時に「おはようございます!」
昔つきあっていた彼女のご両親に会いに青森へ行った時の話ですが、僕たちが彼女の実家近くに着いたのが夜中の11時か0時でした。僕は彼女のお父さんとの初対面に備えて、あいさつの練習をしていたんです。
近くの駅まで彼女のお母さんが迎えにきてくれました。そして車で彼女の実家に行きました。そして彼女のお父さんとご対面。僕は言いました。「おはようございます!」夜中の11時ですよ。練習の成果はありませんでした(笑)
しかも靴をはいたまま家に上がっちゃうし。みんな唖然としてました。3〜4年前の話ですが、 良い勉強になりました。
欲しい、だけど、欲しくない。
その彼女は、はっきりと自分の欲求とか要求を口にする人ではありませんでした。彼女が何か欲しがった場合、僕は彼女が本当にそれを欲しがっているのかを考えなくてはなりませんでした。
例えば今、僕はアイスティーを飲んでいます。仮に僕が「このアイスティー欲しい?」と彼女に聞いたとします。多分彼女は、たとえ本当はこのアイスティーを飲みたいとしても「いいえ」と答えるでしょう。当時の僕ならそれを真に受けて、そのまま飲み続けたと思います。
でも後になって分かったのは、彼女はそのとき単に遠慮して、というか行儀良く振る舞おうとして「いいえ」と答えたに過ぎないということでした。こういうコミュニケーションのすれ違いみたいなものが、結局は別れの原因になったんでしょうね。
彼女が何を欲しがっているのか、それを把握するのが大変でした。彼女の方も「言わなくても分かってよ」みたいなところがありました。直接言葉で「これが欲しいの?」って聞いたこともありましたけど、彼女はいつも自身の本心とは逆のことを言ってきたんです。
「外国人お断り」
以前渋谷に行ったときに不動産屋さんを見て回った時のことは、今でも忘れられません。まだまだ多くのアパートが「外国人お断り」だという現実を突きつけられたんです。
各物件に入居条件が示してありました。ペットOKとかエアコン有りとかですね。それらの中に外国人の入居はOKかどうかが示してあったのですが、あるアパートは「不可」でした。
これがもしオーストラリアだったら、完全に違法です。オーストラリア出身にとってはかなりのショックですね。 組織的に人種差別をしているようにしか思えません。オーストラリアには様々な国から人が集まってきますから、そんなことは完全に違法です。そういう環境で育ってきたから、「外国人不可」には強い違和感を覚えます。でも日本では、それほど珍しいことじゃないようです。これが唯一強く感じたカルチャーショックですね。
今でもまだまだその種の問題は残っています。だけど僕は外国人ですから、状況を変えようがないんです。今アパートを借りに行ったら、また同じような問題にぶつかるでしょう。僕は日本にいる限り、一外国人であることに変わりはありませんから。
日本で年をとっていく自分が想像できない。
オーストラリアが懐かしいです。年に2〜3回シドニーに帰りますが、 やっぱり家ではリラックスできますね。家族と共に過ごしたり、 友人に会ったりして、楽しい時を過ごします。
でも2〜3週間もすると、退屈になってきちゃうんです。家族や友人はみんな仕事で出払っているから、日中はやることがないんですよね。だから週に5日は自分一人で時間を持て余すしかないんです。ただ誰かが仕事から帰ってくるのを待つだけです。
日本に来て4年経ちましたが、もう4年日本にいるかと聞かれたら、ちょっと分からないですね。今のところは日本にいるつもりですが、ここで老いていく、年をとっていく自分というのは想像できないんです。
もし現役を退いたら、その時はやっぱりシドニーにいるんでしょうね。それでも日本や東京には帰ってきたい。日本から完全に離れて、全く日本と関係がなくなってしまうのはイヤです。これからも日本と関わりのある仕事がしたいし、日本にはたびたび来たいです。
*Photos by T.Y.
ライルさんにとって、東京って何ですか?
第2の故郷でしょうね。
だから東京を良いとか悪いとか言いたくないんですよ。ここでの生活が心地いいし、もう
長く住んでいるから簡単には善し悪しを判定できません。ここでの生活は快適で エキサイ
ティングで、面白い。毎週常に新たな発見があります。
絶えず変化する街。それが東京だと思います。

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