2006年11月22日(水)
#5 リッキー・ファリナスさん
Tokyo Gaijins.com マネージャー
(1998年に来日)

何にも理解できないという場面では、自分は不利な状況に立たされます。
そういう状況こそ挑戦しがいが
あります。
今回インタビューしたリッキー・ファリナスさんは、フィリピンのご出身です。彼とのインタビューは楽しかったです。なぜならリッキーさんはすごくポジティブで、どんな困難をもチャレンジだと言い切っていたからです。
元々リッキーさんは柔道のトレーニングのために日本に来ましたが、いつの間にか来日8年目。今では自分で事業を展開しています。これもきっと、まるで対戦相手を投げ飛ばすように、次々と問題を乗り越えていった成果でしょう。
*インタビュー@JR田町駅西口スターバックス
English
コンビニでの買い物が最初の「冒険」。
日本の大学の柔道選手たちとの強化練習に参加するために日本に来ました。柔道歴は20年になります。 フィリピンでは5段ですが、こちらでは4段。もちろん黒帯です。
最初は日本に来るつもりはなくて、アメリカに行こうと思っていました。でも初めてここに来たとき、日本がいっぺんに好きになりました。僕が着いたのは成田ではなく羽田でしたが、道路はきれいだし、橋がたくさんあって、ビルがそこら中に建っている。見るもの全てがすごく近未来的でした。
その上、街を歩く人たちがみんな笑っていました。きっと彼らも仕事がイヤなんだろうな、とは思いますが、それでも笑っていますよね。でもフィリピンでは、彼らは仕事がイヤなときは決して笑いません。
僕の日本での最初の「冒険」は、コンビニに行って買い物をすることでした。僕はすでに「いくら」とか「お釣り」「お願いします」「ありがとう」などの言葉を知っていましたから、うまくいきました。日本語は特に勉強していなかったです。ただ「役立つフレーズ」を知っていただけです。「キミかわいいね」みたいな(笑)
常に自分が外国人だと思い知らされる。
日本の電車が好きです。いつも時間通りに来るから、事故がない限り遅刻することはありません。信頼できる乗り物です。朝の通勤電車にも乗ったことがありますよ、満員電車!昔はサラリーマンでしたから。
他に日本で好きなのは、安全に暮らせることですね。これが日本とフィリピンの大きな違いです。例えば、僕の荷物を今ここに置きっぱなしにしてコーヒーを買いにいっても、誰も荷物を盗むなんてしません。 荷物の心配は無用です。でもフィリピンではコーヒーを買いにいっている間に荷物はどこかに消えてしまいます。
でも、日本の治安を守っている警察官は嫌いなんです。彼らは白人には職務質問しないのに、アジア系にはするんですよ。僕らにだけビザのことを聞くんです。人種差別ですよ。僕は人種差別大嫌いです。
タクシーの運転手も嫌いです。彼らは僕がガイジンだと知るや、無視して行っちゃいますから。これも差別ですよ。特に年寄りのタクシー運転手に顕著です。
ここ日本では常に自分が外国人だと思い知らされます。だから地域社会に溶けこめないんです。日本人じゃない、だったら外国人だ、みたいな空気があります。アメリカは多文化国家ですからそんなことはないんですが、ここでは日本人じゃない限り、ガイジンなんです。
僕の日本語は、おばさん仕込み。
日本語の上達へのただ一つの方法、それは「おしゃべり」ですね。特に女の子と話すのが好きです(笑)確かに何にも理解できないという場面では、自分は不利な状況に立たされます。でもそういう状況こそ挑戦しがいがあるってものです。だからカルチャーショックを感じたことがないんです。全ては未経験のことだけど、経験はお金には換えられないですから。
僕が来日してから一番最初の職場は工場でした。箱に棒をくっつけるだけの単純作業ですから、仕事中でも話せるんです。だから僕は一緒に働いていたおばさんたちと話していました。僕の日本語は「おばさん」仕込みなんです。だから僕の日本語は、時々おばさんっぽくなります。「嬉しいわ!」とか「寒いわ!」なんて言ったりします(笑)もしオ○マに間違われてたとしても、気にしませんね(笑)日本語を話すこと、ただそれだけを考えていますから。
もちろん日本語を読むこともできます。電車で勉強しました。電車には停車駅が表示されているでしょう?駅名は漢字とローマ字で書かれているから、毎日の30分の通勤時間でそれらを読んでいました。今では駅名は漢字で読めます。
でも、言葉の壁を克服したとはまだ言えません。だってまだ全てを日本語で理解することができないし、日本を自分の家のようには感じられませんからね。
今はフィリピンよりも日本が好き。
フィリピンを懐かしく思うことはありません。家族に会いたいとは思いますけどね。治安が悪くて、不潔で、汚染されていて、人々は貧しくて不幸。いつもお金に関して文句を言っています。職もありません。向こうに帰ったら1週間は滞在しますが、治安が悪いからいつも不安です。
正直言いましょう。今はフィリピンよりも日本の方が好きです。日本にも嫌いなものはたくさんありますよ。だけど好きが嫌いを上回っているから、日本でもハッピーでいられるんです。
もちろん東京は自分にとってパーフェクトな場所じゃない。でも僕はフレキシブルです。もしここに住めなかったら、どこかに引っ越すだけ。でも僕は、当面はここにいます。よく日本に住む外国人が「オレがここに住んでいるのは、金を稼ぐためだけさ」なんてうそぶいたりしていますが、お金は母国でも稼げるだろうって。そういう人は帰れ、オレはここにいてやるって言いたいですね。
僕はここに8年も住んでいますから、東京以外に選択肢がないんです。東京に居を構えているし、自分の会社も東京にあります。他の場所に住む理由がありません。ここにいられてハッピーです。ここで自分がどうなっていくのか、自分でも知りたいです。


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